流れ落ちる瀑声に癒される 〝滝めぐり〟の旅へ

古くから心を癒してくれる場所である滝。
長野県には、糸のように繊細な美しい滝から、瀑声を轟かせる大瀑布まで、いくつもの滝があります。
なかでも「日本の滝百選」にも選ばれた3つの滝をご紹介します。

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古から大切にされてきた信仰の滝

昔から滝は神聖なものとされ、信仰の対象になることもありました。長野県南部の喬木村にある、旅中の安全を願った「禍誤除け(かごよけ)の滝」はその一例です。山道の多い長野県では災害や事故も多く、道中にある滝で祈願することが旅人の支えだったのかもしれません。滝を観ていると、日々の喧騒を忘れ嫌なことも流れ落ちていくような気持ちになります。滝は心の癒し。今回は長野県に3つある「日本の滝百選」をそれぞれご紹介します。

喬木村にある「禍誤除け(かごよけ)の滝」

その名の通り三本流れる
「三本滝」

北アルプスの麓、松本市にあるのが、1ヵ所に3つの川が流れ落ちるので、3つの滝を一度に眺めることができる圧巻の「三本滝」。落差50~60mほど、標高約1,800mに位置するため夏でもひんやり涼しい場所。松本市街地からは車でおよそ1時間半、三本滝駐車場のある「三本滝」バス停からは遊歩道を歩いても30分ほどで滝のすぐ近くまでたどり着けます。3つの趣が異なる滝をさまざまな角度から捉えられるため、カメラマンを中心に撮影スポットとしても人気です。
乗鞍岳の麓に位置し、「善五郎の滝」や「番所大滝」とともに「乗鞍三滝」とも称されています。

松本市にある「三本滝」

遊歩道を歩き森林浴も楽しめる
「田立の滝」

長野県南木曽町と岐阜県中津川市の境付近に位置する「田立の滝」。そうめん滝、不動滝、螺旋滝、洗心滝など、いくつもある滝を総称して「田立の滝」と呼ばれています。
それぞれの滝を経由する遊歩道が整備されており、遊歩道の入り口「粒栗駐車場」から一周するするのにおよそ4時間ほど。道中には伝説や自然に関する説明看板があり、楽しみながら歩くことができます。数ある滝のなかでも「天河滝」は、白い花崗岩を滑り落ちるように流れる壮大な姿が一際目を惹きます。滝の先にある不動岩展望台は、木曽川や恵那山などの東濃地方を一望する眺望スポット。普段は目にすることのできない深い自然なかで森林浴を楽しめます。

長野県南木曽町にある「田立の滝」

『真田丸』ロケ地にもなった
「米子大瀑布」

長野市の東隣、群馬県嬬恋村との境に位置する須坂市にある「米子大瀑布(よなごだいばくふ)」。2016年に放映された大河ドラマ『真田丸』のオープニングロケ地になったことでも有名です。米子大瀑布は「不動滝」と「権現滝」からなり、それぞれ根子岳と四阿山を源流としています。
往復1時間ほどのハイキングコースでは、間近から見上げる迫力ある姿と、少し離れた場所から望む2つの滝をいっぺんに楽しむことができます。不動滝の手前には須坂市の名刹「米子瀧山 不動寺 奥の院」もあります。おすすめの季節は紅葉が美しい秋。標高1,600mほどある断崖から80mほどの高低差を一気に流れ落ちる姿は、国の名勝にも指定されています。紅葉狩りやハイキングとあわせて楽しめます。

須坂市にある「米子大瀑布(よなごだいばくふ)」

いかがでしたでしょうか? 3,000m級の山々に囲まれた自然豊かな長野県には、美しい滝の風景がたくさんあります。もちろん、今回紹介した「日本の滝百選」以外にも、さまざまな滝があります。たとえば、長野県高山村にある「雷滝」は流れ落ちる音の豪快さと、別名「裏見の滝」と呼ばれ、滝を裏側からみることができる迫力満点のスポットです。自分のお気に入りの滝を見つけて、長野県の心地よい自然に心身を癒す”滝めぐりの旅”に出かけてみませんか。

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